低カルシウム血症による産褥テタニーのお話

小型犬でのお産では中大型犬に比べると様々なトラブルに遭遇します。

有名なのは『難産』。

小型犬の場合産子数が少なく、胎児1匹1匹が大きく育つと母体の産道をうまく通過する事が出来ずにいわゆる引っかかる状態になる事が有ります。

他にも子宮が強く収縮する事が出来ない『陣痛微弱』も難産の原因になります。



今回は上手にお産ができたけど、その数週間後に痙攣発作を起こしたお母さんチワワの話。

来意院時には意識が混濁し、全身の痙攣、発熱、流涎。


飼い主様によく話を伺ってみると、ここ最近食欲が安定しなかったことや食餌がお肉中心で偏っていた事が分かりました。

今回のケースですと経過と現在の状態から考えると『低カルシウム血症による産褥テタニー』が第一に考えられます。

早急に血管を確保、その際に血液採取、検査にかけるとやはり命の危険性が有るくらいの低カルシウム血症でした。

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早急に、心電図を取りながら静脈からゆっくりとカルシウムを注射します。
急にカルシウムを注射すると危険な徐脈や不整脈を引き起こしてしまうのでゆっくりと。

その後追加でもう1回カルシウムを注射したのち、血液検査を行うとカルシウムは正常値にまで戻りました。


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その後暫くすると、低カルシウムに伴った様々な症状は消失し自らご飯も食べる事が出来る様になりました。

ここまで来たら、漸く一安心。この後は暫く入院してもらい高栄養の食事で血液中のカルシウムが維持出来るかを見て行きます。




              東大阪市 ピース動物病院 獣医師 成田和博
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by peace-vs | 2013-02-22 10:01 | 病気の話 | Comments(0)