子宮蓄膿症(パイオメトラ)のお話

梅雨に入ってから益々暑くなってきましたね042.gif 

これから徐々に夏日になってきますが、動物、特にわんちゃんは色々と病気を起こしやすい時期になってきますので気をつけて見てあげて下さいね040.gif


さて、今日のお話は子宮蓄膿症(パイオメトラ)のお話です027.gif

今回この病気を取り上げたのは理由がありまして、最近この手術しかしてない様な・・・と思う程多かったもので(勿論偶々だと思うのですが)。

子宮蓄膿とは文字通り子宮内に細菌(大腸菌やブドウ球菌、連鎖球菌など)の感染が起こり多量の膿汁が子宮内に貯まる事で起こる雌の生殖器の病気です。

見た目はこの様な状態の子宮です↓
d0224555_9212676.jpg

d0224555_9214325.jpg

↑このコは左卵巣が5cmほどに大きく腫れていました。

この病気に罹患してしまった場合の治療法は卵巣子宮摘出になります。


動物病院では割と診断する事も多く、それほど珍しい病気では有りません。最近では多くの飼い主さんにも認知されている割とメジャーな生殖器疾患だと思います。

連れて来られる理由は本当に色々有ります、例えば。

☆ 元気・食欲が無い
☆ 呼吸が荒い
☆ 下痢・嘔吐
☆ 生理(発情出血)が終わらない(膣から血が出続ける)
☆ 目が赤い
☆ お腹が腫れて来た
☆ 歩き方がおかしい    など等

 以上の様な主訴で来たメスのわんちゃんで中高齢で避妊手術をしていないコの場合、類症鑑別リストの上位には必ず子宮内蓄膿症(パイオメトラ)が上がってきます。


 (※類症鑑別:全く違った病気でも、同じ様な症状が出る事がありそれを診分ける事)

 最終的な診断は血液検査や超音波検査で炎症の数値が上昇しているのを確認する事や、子宮内に膿汁が貯まっている事を確認する事で行うのですが、予後(手術をしてから元気な状態にもどれるか?)は最初に連れて来られた段階で大きく変わってくる事も有ります007.gif

 例えば、子宮蓄膿の状態で長い期間いた場合、細菌や細菌自身が産み出す毒素が徐々に他の内臓(特に腎臓)へ負担をかけ、全身への重い炎症反応が引き金となって手術の前後に播種性血管内凝固(DIC)という命に関わる重篤な状態へと陥ってしまう事が有ります。

 これらの事より、子宮内蓄膿の治療の予後を大きく左右する要因は何と言っても『早期発見、早期治療』これに尽きます027.gif 勿論、この病気自体に罹患しない為に年齢が若いうちに避妊手術をするというのも選択の1つだと思います(早期の避妊手術により乳腺腫瘍の発生率も低下させる事もできるので)。

 『最近うちの子元気がないな〜、夏バテかしらん?』と思われた方、そうかも知れませんがその子がお年頃の女の子ならちょっと頑張って病院を受診される事をオススメします034.gif



         東大阪市 ピース動物病院 獣医師  成田和博

 
[PR]

by peace-vs | 2012-06-11 10:07 | 病気の話 | Comments(0)